前回無事日本政策金融公庫での融資に成功したAさん。
税理士さんへ10%の成功報酬を支払ったのちでも、
会社の口座にはある程度のお金が入っていますし、
これであと一年は耐えられると、
気持ちに余裕を持つこともできました。
依然なかなか新規の取引先が増えないAさん。
知り合いの勧めで営業系のセミナーもいくつか受けましたが、
自分が使おうと思える金額の範囲で行けるものは、
導入編のようなものばかりで、
きちんと成果を上げるには、そのあとの講座を受講しなくてはです。
ただでさえ預金残高が日々減ってゆく中で、
更なる費用はなかなか出すことが苦しいです。
そんな折、知らない番号から携帯に着信が入ります。
「あ~、おれおれ、覚えてる?高校のときの同級生のB。
今こんな仕事しててさ。Aが独立したって聞いたんで
Aの性格なら絶対いい仕事してくれると思って、
○○から番号教えてもらって連絡したんだよ。」
一瞬オレオレ詐欺かと思いましたが
思わぬところからの仕事の依頼でした。
Bとは部活もクラスも違い、
特段親しかったわけではないのですが、
自分のことを覚えていてくれたこと。
当時の性格くらいしか知らないのに仕事を頼もうとしてくれてること。
何より、旧会社からの仕事以外の大事な大事な第一号。
電話を終えた後、Aさんは目頭が熱くなっていました。
Bさんと10年以上ぶりの再会を果たし、
知り合いゆえ、多少の値引きが必要かとも想像していましたが、
仕事をきちんとやってくれれば定価でよいとの有難い言葉も頂き、
めでたく新規の取引先第一号を獲得したのでした。
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